そんな経験はないでしょうか? 『クリアホルダーのカール』は、クリアホルダーにチラシやパンフレットを差し込んだり、クリアホルダーを冊子に挟み込んだりする場合によく起こるトラブルの一つで、事前に注意が必要です。

クリアホルダーの素材であるポリプロピレン(以下PP)は、一般的な油性の印刷物に含まれる揮発性有機化合物(以下VOC)を吸収し、膨張する性質を持っています。そのため、クリアホルダーにVOCを発生するものを触れさせると、その部分からどんどんカールしてしまいます。

例えば、印刷物をクリアホルダーに挟むと、内側からVOCが発生し、それをPPが吸収・膨張していきます。その結果、クリアホルダーが外側へとカールしてしまうのです。
これは、世界中に存在する全てのPPが同様の性質を持っています。弊社商品に限らず、PPで作られたほとんどのクリアホルダーに、カールする可能性があります。
クリアホルダーと他の印刷物をセットする際には、十分にご注意ください。

【1】 一般印刷物(油性印刷)を、よく乾燥させる。※完全回避はできません
原因となるVOCは、一般印刷物(油性印刷)で使用されている油性のインキに多く含まれています。
VOCは環境にも悪く、最近では、一般的に環境にやさしいインキとして大豆油(SOY)インキが使用されていることもあります。ですが、大豆油インキはインキの成分である石油系溶剤の分量を減らして、大豆から取れる油を含んだインキです。大豆油の含有率はおおよそ20%~程度(インキメーカーにより異なり、改良も進んでいます)で、残りの80%を占める石油系溶剤からはVOC(揮発性有機化合物)が発生します。
NON-VOCインキも同様です。こちらは、VOCが1%未満のものが対象となっておりますので、その微量なVOCに反応し、クリアホルダーがカールする可能性があります。
ベタの多いチラシや、比較的新しいパンフレットなど、VOCを含む用紙が多いほど、相当量のVOCが放出され、強いカールに繋がると推測されます。
ただし、VOCは揮発性ですので、十分時間をかけることで揮発していきます。完全に乾燥していない印刷物を近くに置くとカールしてしまいますので、印刷物はよく乾燥させた上で、クリアホルダーとセットしてください。

【2】 挟み込む印刷物は、UVインキで印刷する。
クリアホルダーは、VOCに触れることでカールします。そのため、VOCを含まない印刷物であればカールの心配がありません。

【3】 クリアホルダーの素材を変える。
PPの性質ですので、素材を変えることでカールの可能性はなくなります。
しかし、PP以外の素材は硬い・割れやすい・傷が入りやすい・価格が高いなど、ホルダーとしての基本性能が落ちてしまいます。そのため、カールへの対策は印刷物での対策をオススメします。


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